お礼と思い  Contemplation and Gratitude


- 第2回個展を終わって - After the second exhibition


  今回もご支援ありがとうございました。昨年の幾何図形シリーズ「蒼x層」では図形を重ね入れ子構造を作ることで、感情や思いを枠にはめ、形にしました。今年の「海+生(海に生まれ生きる)」では、命の起源である海で生き、繁殖し、踊り、さざめき語り合う生物に、自分(たち)を重ね表現したつもりです。


  来られた方々がDM写真に載せた作品を実際に見て「思ったより大きかった」「平面ではなく立体だ」「ヒトデなの?イソギンチャクなの?ウニなの?」とおっしゃいました。20本の足(手)が出ているのですが、生きて動いているようにうねりを出して全体で海の生物を表現し、その足の間に波に洗われて見え隠れする岩礁と碧い潮を表現したつもりです。見ていただいて、お話ができ、とても嬉しかったです。


  お客様の中には大きな作品や入り組んだ作品を購入したいと言ってくださった方々がいらっしゃいました。非常に嬉しかったのですが、予想外でドギマギしました。作品は私の来し方の姿です。気に入らないところも多く、飾っていただくには申し訳ない作品たちです。今後は新しい所有者と生命の動く感動を共有できるような作品を目指したいと思います。


  昨年は先生がたから「もっと精緻に」「作り込んで」とお言葉をいただきました。今年も見てくださいましたが、何も厳しくおっしゃいませんでした。何も言われないことが怖かったです。今後お客様に買い上げていただけるような作品、思いを共有でき、思いを委ねることができる作品を作っていかなければと思う時、昨年言われた「もっと精緻に」「作り込んで」の言葉が、今年は内から響いてきました。先生がたと、作品を欲しいと言ってくださった方々に、気づかせてくださってありがとうと、お礼申し上げます。



  さて、来年のテーマは「放射能をめぐる家族の歴史」です。建物疎開作業中に原爆被爆し8月9日に14歳で亡くなった叔父。叔父を探して市中を探し回った祖父。甘いものも食べさせてやれないまま息子を失ったことを悔やむ祖母。焼けただれた被爆者救護に当たった看護婦の叔母(当時19歳)。被爆74年後、放射線被爆後遺症の血液疾患で亡くなった叔母。原子力の平和利用を夢に、原子力燃料公社に働き、福島の原発事故に今悩む叔父。

  友人たちは「核兵器が拡散し、国のトップたちが核を使うことも辞さないと脅し合う現在だから、テーマにしたほうがいい」と。家族からは「陶芸のテーマとしてはどうか?」とも。自分でも迷いつつも、広島原爆に思いを凝らすたびに、涙に暮れてしまう自分を叱咤し、溢れる感情と考えを整理するために、形を与えてみたいと思っています。


  これからまた1年間、仕事も家族も大事にしつつ、作陶したいと思います。来年も同じ頃、同じ会場または近辺で、開催したいと願っています。

  最後になりましたが、いつもおおらかに見守って下さる先生がたに、またわいわいと楽しく作陶する仲間に御礼申し上げ、また1年よろしくとお願い申し上げます。

  今後も皆さんの応援よろしくお願い申し上げます。

  また来年も、元気で、お会いすることができますように。


2019年9月12日           

                 福山桂子

                 keikofukuyama@hotmail.co.jp

                                  https://keikofukuyama.com


*ホームページを開設しました。第2回個展の作品をカタログ的に写真を載せました。展示しきれなかった海をテーマの作品や、第1回個展分もゆくゆくゆっくりと載せていく予定です。感想やご意見をいただけますと、嬉しく思います。

Keiko Fukuyama 2019 © All rights reserved.
Using Format